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今月の聖語

今月の聖語

愚人にほめられたるは
第一のはぢなり

日蓮聖人御遺文「開目抄」/
文永九年(一二七二年 聖寿五十一歳)

「道心」
仏道に精進し、仏のさとりを求め願う心、道心。仏道を信奉実践する心の持ち主、道心者。道心を欠く人が無道心者であり、無道心であっては決して生死の繋縛(けいばく)をたち切って覚者(仏)になり得ない。真の道心者は世に少ないから、世に多い無道心ものたちからの嘲(あざけ)りをうける。
掲出文の前には「無道心の者、生死をはなるる事はなきなり。教主釈尊の一切の外道に大悪人と罵詈(めり)せられさせ給い、天台大師の南北並びに得一(とくいち)に三寸の舌もて五尺の身をたつと、伝教大師の南京(なんきょう)の諸人に最澄未だ唐都を見ず等といわれさせ給いし。皆、法華経のゆへなれば恥ならず」とある。
敬すべき先師、教主釈尊・天台大師・伝教大師、みな悪罵(あくば)にさらされたがそれは大道心のためであったからなんら恥ではない。道心を欠くことこそが恥である。思うに無道心の愚人は、智人の心を計り知ることは出来ない。だから、そんな愚人からの讃辞はとんだ大恥だ。第一の恥だ。