八葉の心蓮華の内におはします
『日女御前御返事』/
弘安元年(1278)57歳
今月の聖語
日蓮聖人が遺した言葉から、「〝今〟をイキイキと生きる智慧」をお伝えする人気メニュー。
『日女御前御返事』/
弘安元年(1278)57歳
=「世法」ではなく「妙法」で=
蓮の特徴は泥に染まらず、茎が真っすぐに伸びて花を咲かせます。1つの茎に1つの花。花と実は同時にできて、花1つから実はたくさんなります。蓮華はこの世で人間が歩む道の大切さを表す仏教の象徴の花なのです。
近年は政治の混乱を含め、さまざまな事件や事故、異常気象に食料危機、戦争や災害など、非常に暗い報道が多い世の中です。これらの事象には人間の心の中にある三毒と呼ばれる怒りや欲望、愚かさに起因しているものがあります。
しかし妙法蓮華経というお経は、この困難な苦しみの多い泥の世に染まらずに、花を咲かせる教えが説かれています。
私たちは時代で変わる「世法」ではなく、「妙法」に生きるのです。泥の中に埋もれている正しい思想や栄養を吸収し、蓮根のように世界が1つに繋がって、1人ひとりの人間性を高めていく社会をみんなで作るのです。
日蓮聖人ご遺文『日女御前御返事』
日女御前から供養を受け、法華経後半部の大意を述べられている書。志を讃えられ、とくにお曼荼羅の世界が日女御前の胸の中にあると述べられた行。八葉は仏さまの台座の花弁です。
弘安元年(1278)57歳