心の財をつませ給ふべし
『崇峻天皇御書』/
建治三年(1277) 聖寿 五十六歳
今月の聖語
『崇峻天皇御書』/
建治三年(1277) 聖寿 五十六歳
=真実の財産=
真実の財産は、金銀宝石でもなく、土地や建物でもありません。まして数字で
表現できるものではありません。それは、心に蓄積されるものです。こ の財は
生きる力の根源的なものです。
経済優先の現代社会の不安は、本当に大切にしなければならないものを失いつ
つあることからくるかもしれません。
心に財を積めば、それは内より出て身を飾り、人生をより輝かせ、やがて安穏
な社会へと進む力となるのです。
『崇峻天皇御書』
このご遺文は、四条頼基公からの贈り物に対しての礼状です。
頼基公は、謹慎中でした。やがて主君の誤解が解け、薬事の心得があったた
め、主君の病気治療を命じられました。許されたうえに、以前より厚遇さ れる
ことになりましたが、日蓮聖人は、それを自慢したり、油断してはならないこと
を事細かに教示され、人としての振舞こそが大切であると戒められ ました。
建治三年(一二七七)
聖寿 五十六歳