身と影とのごとし
『忘持経事』/
建治2年(1276)聖寿55歳
今月の聖語
『忘持経事』/
建治2年(1276)聖寿55歳
=父母(先祖)と一体=
誰もが父母があってこの世に生まれてきます。「産んでくれと頼んだ覚えはない!」と反発しても、この事実は変わりません。誰もが自分の体は親からいただいた大事な体なのです。
そんなあなたが、もし今、悩みや苦しみ、生き辛さを感じていたら、それはあなたのお父さんやお母さんも、かつて経験してきたことかもしれません。時には素直な心で父母に相談してみましょう。自分のことのように考えてくれ、良い答えを出してくれるかもしれません。
父母の父母、そのまた父母、ご先祖さまへと思いをはせてみましょう。みんな、あなたと同じように悩み苦しみ一生懸命生きてこられたと思います。今、〝私〟がいるのは父母(先祖)と〝身と影の如く一体〟だからです。たくさんの縁を感じながら「今」と「私」を幸せに生きましょう。
◎日蓮聖人ご遺文『忘持経事』
母の納骨を済ませた富木常忍に宛てたお手紙です。母を亡くした常忍の気持ちを慮り、仏弟子の説話を取り入れながら父母への孝養の大切さが説かれています。
建治2年(1276)聖寿55歳