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今月の聖語

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現世の安穏ならざる事をなげかざれ

『開目抄』/
文永9年(1272)聖寿51歳 

=優しい気持ち=
ホームに入る電車を駅員が待ち構えています。電車の扉が開くと、駅員は板を渡して車椅子の乗客の下車を補助しました。乗客は笑顔で「ありがとうございます」とお礼をいい、駅員も「どうぞお気をつけて」と笑顔で応えていました。
駅でよく見る1コマですが、小さな理想郷がそこに見えています。健常者も障がいを持つ人も等しく生活しやすい環境。知らない者同士でも感謝し、挨拶し、微笑み合う世界。殺伐としたニュースが溢れる世の中にも、ちゃんとこういう世界が創られており、その輪がもっと広がればと思いました。
宮沢賢治は「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」といいます。例えば自分が健康でも家族が病気ならどうでしょう? 社会でも同じです。みんなが優しい気持ちになり支え合うことが、みんなが幸せになる道です。

◎日蓮聖人ご遺文『開目抄』
流罪となった佐渡で著され、「我身の法華経の行者にあらざるか」と自身を問い、法華経行者を自覚された書。私たちが生きるべき真の方向性を示されます。
文永9年(1272)聖寿51歳