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今月の聖語

今月の聖語

慈悲なき者を邪見の者という

『顕謗法鈔』/
弘長2年(1262)聖寿41歳

 =慈悲と合掌=
 慈悲とは、人として持たなければならない大切な心です。
 その意味は、慈しみと哀れみです。それは、他者の苦しみを除き、楽しみを与えることであり、他者の幸せを祈る心のことです。この心が薄くなれば、自己中心的になり、よこしまな考えに陥ります。このような人が増えれば、道理がとおらなくなり、社会は不安になります。社会が不安になれば、個人の幸せもありません。
 慈悲の心を自分に確認し、他者の幸せを祈る姿が合掌です。
 
 
『顕謗法鈔』
 この書は、日蓮聖人が法難を受け、正しい教えを謗る罪について示された論文です。
 全体は、四段で構成されています。一段では犯した罪によって堕ちる八大地獄を、二段では最重苦の無間地獄の因である謗法を、三段では謗法の行為を、四段では仏法のひろめ方を、それぞれ述べられました。
 特に、仏法のひろめ方については、五つの要素を示され、それは聖人の生涯を通じて深められていくことになりました。
弘長2年(1262)
聖寿41歳