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今月の聖語

今月の聖語

人の智はあさく仏教はふかくなる

『報恩抄』/
建治2年(1276)聖寿55歳

=社会と生き方=
 お釈迦さまはさまざまな事柄に応じて、人間の生き方を法として説かれました。
 現代を見ますと、高度な科学文明が発達し、豊かなようですが、依存しすぎて人間性が薄くなったように感じます。現代社会はさまざまな格差を生み出し、科学で乗り越えられない自然災害に、人は不安を感じています。
 これからは、人間性を深め仏心を持たなければならない時代です。その先に安穏な社会は開けるのです。
 
日蓮聖人ご遺文
『報恩抄』
 このご遺文は、旧師道善御房の訃報を受け、使者に墓前などで読むように託された長文の追悼書です。
 日蓮聖人は、旧師への供養のために、人としての報恩のありかたから書き起こされ、仏教の歴史を示し、その核心を説かれ、生きとし生けるものへの広大な慈悲の世界を述べられました。
 この書には添え状があり、何度でも読み返し、わからないことは質問するように書かれてあります。
建治2年(1276)
聖寿55歳