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今月の聖語

今月の聖語

願くは一切の道俗
一時の世事を止めて
永劫の善苗を種えよ

日蓮聖人御遺文「守護国家論」/
正元元年(一二五九年 聖寿三十八歳)

「善苗(ぜんみょう)下種(げしゅ)」
世事はこの世のことども。この世は俗世。俗世間の諸事百般は多くはとりとめのない無価の事柄。俗事にかまけ、世間になずみ、ふりまわされて一生を終えるのが一般。このことは、在俗の人も仏道に入っている僧も、道俗あわせ通同だ。僧もまた俗の俗たる人と成り下がっているからだ。
だから要するにすべての人よ、まず何よりもこの世一時の俗事を止めて、心の種まきにいそしみ、永劫不変の善き苗を植え育てよう。善苗(ぜんみょう)とは仏種(ぶっしゅ)である。尊貴(そんき)な仏教をわれらの心田(しんでん)に植え、仏を目指し仏となることに励もう。それが仏教徒のふるまい、仕業(しわざ)である。
今この論策は日蓮の私言ではなく、経・論にもとづいての仏説である。自義ではない。客観視してさばいてほしい。