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今月の聖語

今月の聖語

男は柱のごとし女は桁のごとし
男は羽のごとし女は身のごとし

日蓮聖人御遺文「千日尼御返事」/
弘安元年(一二七八 聖寿五十七歳)

「夫婦」
男女・夫婦の互いの役割をものに託して指摘した三箇条。掲出の二箇条の間には省略した一文がある。「男は足のごとし 女人は身のごとし」である。
桁(なかわ)は柱の上に渡す屋根の受け木。柱が倒れると落下する。柱なくして桁(けた)はない。桁(けた)なくば屋根ふけぬ。ともになくてはならぬ用材である。男女の関係、ここは夫婦の関係の密接不可分さを告げ、相互の関係をいいつくしている。
足と身、羽と身の関係を指摘して一体不可分さを語る。男が足と羽に譬(ひ)されたのは、夫のはたらきをいい、それが存分に活動するのは妻たる身のささえによるというわけ。つまりは、男の仕業は女の力ということ。「家に男なければ人の魂なきがごとし。公事(くうじ)をばたれにかいいあわせん。よき物をばたれにかやしなうべき」とつづく。