ジーバカとハリータキー
昔、ジーバカという有名なお医者さんがありました。薬草を見つけては病人に与え、また薬を調合して重い病気の人を治していました。そういう薬草を見つけることができるのはジーバカだけでした。お陰で多くの病人が救われ、人々に感謝され敬われていました。その中、ジーバカも年を取って命の尽きる日が近づき、それを知った人々は悲しみました。
「今、ジーバカ先生がお亡くなりになったら、私たちが病気になったときどうすればいいのでしょう」
「今迄なら病気になったらジーバカ先生が病気にあった薬草を見つけてくださり、与えてくださった。でもお亡くなりになったら、私たちはその薬草を見つけることができません。薬草が見つかっても、それが薬になるのか毒になるのか見極める智慧がありません」
じっと聴いていたジーバカが静かに云いました。
「そうかも知れない。でも心配せんでもいいよ。一つだけ何も心配なく飲める薬草を教えよう。それはハリータキーという薬草でどんな病気でも治すことができるのだ。しかし、私がいなくなった後、そのハリータキーを自分自身の手で病気が治ると信じて飲まなければいけない。必ず治るという私の言葉を私のいなくなった後も信じて飲めるかな?どうかな!」
話はここで終わります。この中でジーバカというのは、仏さま(お釈迦さま)のことです。薬草とは仏さまの教え。仏様は正しい目と正しい智慧で私たちの迷いという病気を治してくださったのです。仏さまが亡くなられると、私たちは直接教えを聞くことはできなくなります。でも、仏さまが説かれた真実の教えはハリーキターの薬草と同じこと、今でも仏さまの教えを聞くことはできるのです。日蓮聖人はジーバカのハリータキーの薬草は法華経である教えられています。一緒にお題目(ハリータキーのエキス)を唱えましょう。