「いただきます」調査
あなたは食事の前に必ず「いただきます」の挨拶をしますか?
女子栄養大学の足立教授を中心に先頃行われた、保育所に通う乳幼児五千人を対象にした「食事の時の挨拶に関する調査」の結果を興味深く見ました。
朝御飯の時に、「いただきます」と「ごちそうさま」の挨拶を、ほとんどしている子は35%と、全体の約3分の1ですが、この子たちは他の子どもより望ましい行動をとる率が明らかに高いのです。
望ましい行動とは、食事中の姿勢がよく、あまり席を立たない、食べ物を大切にする、調理・配膳・後かたづけの手伝いをする、食事の感想をよく話す、自分のことを自分でやりたがる、表情が生き生きとしている、等々。
「いただきます」をよくする子は、他の子どもたちに比べて食事のみならず、他の面でも優れた成長の様子が見受けられるようです。
では、「いただきます」のよくできる子は、どんな家庭で育っているのでしょうか。しつけや作法に厳しいお年寄りと同居している家庭の子どもたちかというと、そうでもありません。調査の結果を見る限り、祖父母と同居しているかどうかは全く関係ありませんし、兄弟のあるなしも影響していません。
何が関係しているのかというと、親の意識です。「いただきます」のよくできる子の場合、98%までが親も「挨拶は大切だ」と考えていますが、できない子の場合、「挨拶は大切だ」と考えている親は82%と低くなります。また、「いただきます」のよく出来る子の親は、「挨拶の習慣を必ず子に伝えたい」と願う気持ちが強いのですが、そうでない子の親は挨拶の習慣をあまり重要視していないようです。
おじいさん・おばあさんがいるだけ、ただ習慣的にやっているだけ、では昔からのよい習慣も伝わらないものです。何事も伝える気持ち、そしてそのための努力が大切なのですね。