平成21年2月6日 「法華経と精神医学」
帝塚山学院大学人間科学部教授 小田晋 氏
法華経は「如来寿量品第十六」で「狂子良医の譬」として、古代インドで心の病気にかかった者は病気に対する認識がなくなる。それに関しては強制又は詐術による他、治療に導入する方法はないという認識を示しており、それに対する薬物療法の適応であることを述べている。人権を楯に危険な精神障害者であっても治療に導入することに反対する者というのは、法華経に示されたこの認識に反するのである。仏教は「薬草喩品」でも、それは精神医療であり、精神療法であるという側面をもっている。精神医学と精神療法について、仏教、とりわけ法華経が教えてくれるところは多いのである。
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