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日蓮宗メールマガジン10月号

「雲」

青空がきれいな季節になりました。見上げると、秋らしい雲を見ることができます。刷毛(はけ)でさーっと描いたような白い繊維状の形の「すじ雲」、小さい白色の塊が群れをなし、うろこ状、または、さざ波状の形をしている「うろこ雲」や「いわし雲」、白色や灰色の塊が集まって羊の群れのように見える「ひつじ雲」。「うろこ雲」、「いわし雲」、「ひつじ雲」が空を覆っていくと雨が降るサインだそうです。
雲は水滴や氷の結晶でできており、雨を降らせ大地や動植物を潤し、はぐくんでくれます。秋になると白い花を咲かせる玉すだれは、雨が降るたび針のような葉をぐんと伸ばします。
夏真っ盛りの時、「ずっと雨が降らないから、畑の水やりが大変」と嘆いていたMさん。雨が降ると野菜や花々が元気を取り戻し、Mさんも胸をなでおろされていました。同じように私もカラカラになったのどを冷たい水で潤した時は「ぷはー、生き返った」といのちを救われた気分になります。
『妙法蓮華経薬草喩品第五』に仏さまは空を覆う雲と同じ。お釈迦様(仏様)がこの世にご出現されることは、大きな雲が空を覆うようなもので、人間の心は潤いが足りず枯れ果てているようなもの、と説かれています。いろいろな迷いによって疲れて弱り果てている私たちの心。雲から降る雨で草木が枯れないように、仏様の説かれる教えが心に潤いを与えてくれます。日々、仏様の教えで心に潤いをいただき、安らかで穏やかな生活を送っていきたいものですね。

参考資料
『法華経大講座』 小林一郎著 平凡社刊

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

10日 佐渡法難会
13日 宗祖御会式・宗務院休業
28日 いのりの日
31日 加行所修法先師講