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日蓮宗メールマガジン5月号

「文明の知恵、ほとけの智慧」

新型コロナウイルスの発生から3年あまりが経ちました。

未知の感染症と対峙したこの数年間。多くの困難がありました。
なかでも「人に会えない辛さ」を、こんなにも身に沁みて感じたことはなかったかもしれません。

遠くに暮らす家族、昔ながらの友人・知人。
家庭内感染にあっては、一緒に暮らす家族とさえ会えないこともありました。

大切な人に会いたい。けれど、会えない。
まして生死の別れを経ては、想いは募るばかりです。

この辛くてたまならい私たちの心の様子を、『法華経』では「渇仰(かつごう)」という言葉で表現しています(「如来寿量品第十六」)。
喉が渇き水を切望するかのように、大切な人を慕い想う気持ちは今も昔も同じなのです。

そうした中、コロナ禍にあってスマホやパソコンは幾度となく人と人とを繋ぎ、渇いた心を潤してくれました。スマートフォンの「スマート」には「賢い」という意味があります。
文明の知恵を活用して、たとえ直接会えずとも声を届けあい、時には顔を見ながら会話することでどれだけ励まされたことでしょう。

同じように、亡き人はもとより、お釈迦様と私たちとを繋いでくれるのが、お釈迦様の最高の智慧である『法華経』の教えです。文明の知恵も、お釈迦様の智慧も、私たちに「繋がっている」ことの心強さを教えてくれています。

ゴールデンウィークを目の前に、様々な休日の過ごし方がメディアでも紹介されています。心静かに手を合わせ、『いのちの繋がり』に想いを馳せるのもまた、贅沢な時間の使い方のひとつではないでしょうか。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

12日 伊豆法難会
28日 いのりの日