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日蓮宗メールマガジン7月号

『後悔のない日々を』

私にとって、昨年の5月頃から特にここ1年ほどは大きな変化が沢山ある年だと実感しました。私は今年の4月、約7年ぶりに岡山の最上稲荷山荒行堂の門を再びたたく事となりました。期間は21日間。今回は前回と全く違う立場、そして日本語が通じない海外の方々との修行。この修行を通じて、前回は修行をすることに精一杯の私でしたが、今回は教える立場も体験。沢山の方に日々支えられていることはもちろんのこと、相手に分かりやすく伝えることの難しさ、様々な言葉、身振り手振り、そして行動で相手に伝え、伝えたいことが通じたときの喜び、逆に伝えたいことが伝わらず苦しい思いも体験、経験。とても21日の間に起きた出来事だとは思えぬほど内容の濃い修行でした。その修行を終えた今、私の中の意識が少しずつではあるが変化しているように感じました。

人生というのは、毎日が楽しいことばかりではありません。時にはどうして私だけがこんな苦しい思いをしなければいけないのかと疑問に思うときもあります。

私達僧侶はこの苦しみを取り除くこと、御題目を通じて分かりやすく伝えること、それが僧侶の役目であると今回の荒行を通じて改めて感じることが出来ました。昨年9月も教えることの大変さをあるところで教わり、その時教えて頂いた言葉を思いだしました。

「心が変われば行動が変わる、行動が変われば、習慣が変わる、習慣が変われば運命が変わる。」

今回の修行を終えて、自分の心が変化し、それによって行動に移していくことができ、それが習慣化しつつあると実感しています。

日蓮聖人は『富木殿御書』というお手紙の中に次のように説かれています。

「我門家(わがもんけ)は夜は眠(ねむ)りを断(た)ち、昼は暇(いとま)を止(とど)めて之を案ぜよ。一生空(むな)しく過(すご)して万歳悔(ばんざいく)ゆる事勿(なか)れ。」

現代語訳すると「 我が一門の人々は、夜は眠る時間を惜しみ、昼間は少しの暇間(ひま)な時間であっても無駄にせず、この問題について充分に学び考えるべきである。そして一生を空しく考えることもせずにすごしてしまって、あとで悔いを万歳にまで残すようなことがあってはならない。」(渡邉宝陽氏・小松邦彰氏編: 『日蓮聖人全集』 全7巻より 引用)と云う意味です。私達は、お釈迦様、日蓮聖人の弟子です。自分の役割をしっかりと果たし、生かされている命を後悔することのないよう全うしなければなりません。

【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

13日 お盆迎え火
16日 お盆送り火
20日 土用
28日 いのりの日
30日 土用の丑