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日蓮宗メールマガジン6月号

【今月の法話】

『嘘も方便』

【意味】嘘をつくことは悪いことであるが、時と場合によっては嘘が必要な時がある。

方便とは元々は仏教用語で衆生を真実へと導く便宜的な方法のことです。法華経の中では譬喩品の「三車火宅の喩え」が有名かと思います。簡単にご紹介します。

ある家が火事になり、その家の中に子供たちがいました。子供たちは火事に気が付かず夢中で遊んでいました。夢中すぎて「早く逃げろ」という声にも耳を貸しませんでした。その様子を見た家主が「お前たちの欲しがっていた羊の車、鹿の車、牛の車があるぞ」と嘘をつき子供たちを外に逃がします。そして外に出た子供たちに立派な白い牛の車を与えます。

家主のついた嘘は悪いことでしょうか。目的のある善意の嘘は方便となり、時には真実よりも大切になることもあります。この話では家主は釈尊に、子供は私たち衆生に喩えられています。釈尊は様々な方便を以って我々を救おうとして下さっています。その声に耳を傾け聞こうとすることが私たちにとっては大切なことであろうかと思います。

昨今ニュースを見ていますと、食品の偽装や色々の虚言によって世間を騒がせることが多く目に入ってきます。何が真実で何が嘘かも判断が難しい時代なのかもしれません。

あなたがついた嘘には善意がありますか。また今から言おうとしている嘘には目的がありますか。『嘘つきは泥棒の始まり』です。必要のない嘘はやめましょう。

【お知らせ】

日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。

5日  月例金曜講話
15日  開闢会(15〜17日 於・身延山)
28日 いのりの日