日蓮宗メールマガジン7月号
【今月の法話】
〜盆月にあたり〜
一足早い盆月に入った。天候不順のためであろうか、なかなかその気がしない。
そうは言っても、毎年7月9・10日に行われる浅草寺のほおずき市をニュースで目に
すれば、夏到来の気分にもなろうか。ほおずきは「鬼火」とも書かれ、盆飾りでは提灯の代わりとして飾られる。あの橙色の実を見れば、想像に難くないであろう。
以前に、ほおずき市は観音信仰とつながりがあると聞いたことがあったが、
詳細は定かではない。語源が子供の頬の色に似せたとかで、「ほほつき」から由来している。
また、江戸時代では、堕胎薬として使用されたことがあるなど、子供が関連してくると
観音信仰にもつながりがあるかと考えられなくもない。
日本人は観音様が好きである。文化的なものであろうか、宗派を超えて、この事実は否定しがたい。日蓮宗の熱心な信者さん方でも、釈迦如来の御像をあっさり観音菩薩と仰ることも稀ではない。
ここで一つ考えてみたいのだが、漢字は訓読み方は同じでも、音読みや表記すると違うことがある。観音様の「観 みる」もそのひとつである。お経品では「観世音菩薩」としるされている。世の音、声を観察する。私共の願いを聴こうと努めて下さっているのだ。
もう一つが、「見 みる」である。これは自然と見えてくるということである。お経品では、お釈迦様は広大な心持で私共を見守って下さっている箇所が幾つもある。実は「見、観」では主語となる仏様が違うのである。
観ようとしなくても見えてくる、その安心に包まれながら生活していることを私共は実感しているであろうか。ご先祖さまを迎える月にあたり、どちらから迎えるのか、そして己の拠り所を明らかにしておきたいものだ。
【お知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部より、今月の予定をお知らせ致します。
6日 月例金曜講話
13~16日 日蓮宗宗務院休業
28日 いのりの日