日蓮宗メールマガジン3月号
【今月の法話】
「南無妙法蓮華経は万年のほか未来までもながるべし」(報恩抄)
未来とは未だ来らぬ世界。夢は膨らむものの不安もいっぱいです。
先日、交通事故で亡くなられた男性のお葬式がありました。残されたのは若い奥さんと三歳になる幼子でした。
周りの人は、どんな慰めの言葉をかけていいのか分かりません。
いよいよ喪主焼香という時、奥さんは無邪気に眠っている我が子を抱きながら棺に向かって別れの言葉を述べました。
「姿が見えなくなっても、何処にいても私たちは一緒です。だからサヨナラは言いません。いつまでも愛しています」
この言葉を聞きながら、棺の中のご主人も、きっと同じ気持ちに違いないと私は思いました。
日蓮聖人が報恩抄を著されたのは建治二年(一二七六)、身延山に於いてでした。この書には、亡きお師匠さまである道善房のご恩に報いたいというお気持ちから書き著されました。そして、お題目の功徳によって、お師匠さまも成仏して欲しいと祈られたのです。
お題目には、時を超え、国を越え、無限に広がる永遠の功徳が秘められています。
「いつまでも」という気持ちは、仏さまの慈悲の世界に他なりません。
「何処にいても私たちは一緒」という祈りこそ、法華経の信仰なのです。
【今月のお知らせ】
日蓮宗宗務院伝道部です。
■3月の予定は…
3日 ひなまつり
6日 啓蟄
8日 日頂上人会
15日 身延山大学卒業式
16日 道善房忌
18日 彼岸入り
21日 彼岸中日、春分の日
24日 彼岸明け
25日 立正大学卒業式
26日 日昭上人会
28日 いのりの日
■2月の月例金曜講話(今井真行師【真の立正安国運動~仏教の基礎を固めろ!~】)の映像、ポッドキャストがアップされました。ご覧下さい。