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宗務院からのお知らせ

宗務院

2024.10.11

いのちに合掌 写真コンテスト入選作品発表

令和6年度
いのちに合掌 写真コンテスト
入選作品発表

本年6月に作品募集されました「いのちに合掌」写真コンテストが9月の選考会を経て、受賞作品が決定いたしました。
ここに、受賞作品を掲載いたします。応募いただいた多くの方々に、感謝申し上げます。ありがとうございました。
受賞された方々、誠におめでとうございます。
伝道部

 

写真を通して「いのちに合掌」を感じて

宗務院で田中総長らが作品審査

日蓮宗は、公募していた「いのちに合掌 写真コンテスト」の審査を9月11日、日蓮宗宗務院で開催しました。日蓮宗の布教方針「いのちに合掌」を広く知ってもらおうと「いのち」「合掌」などを表現した作品を募集し、昨年を上回る167点の作品の応募がありました。

写真家の鹿野貴司氏、田中恵紳宗務総長をはじめ、長谷川雄一伝道部長、田邉木蓮日蓮宗新聞社長が選考し、最優秀賞1点、優秀賞2点、入賞5点が選ばれました。

田中総長は「今回も素晴らしい作品ばかりで、選考に苦労しました。写真を通して、いのちに合掌を知ってもらえることを願います」と期待を寄せました。長谷川雄一伝道部長は「これからも日蓮宗では〝いのちに合掌〟を進めていきます。ぜひ、日常のなかにあるいのちに合掌を感じて欲しいです」と呼びかけました。

 

総評―感動や発見をストレートに表現した作品揃う


写真家・鹿野貴司

昨年に続く開催となりましたが、今回もたくさんのご応募をいただきました。力作を寄せてくださった皆さまに、審査員を代表して御礼申し上げます。

今回は子どもや自然など、小さくとも逞しい生命の息吹きを感じさせる力作が目立ちました。技術にたいへん秀でた、写真的な魅力にあふれる作品も多かったのですが、入選には感動や発見をストレートに写した作品が揃いました。上位3作品は審査も盛り上がり、とりわけ「じいじからのプレゼント」は、異議なしの〝満票〟といっていい結果で最優秀賞に選ばれました。

今年の日本は自然災害や異常気象が続いており、この審査の直後にも能登半島が豪雨に見舞われました。しかし寄せられた作品を通して穏やかな光景を見ていると、真剣な審査中にも、そしてこうして講評を執筆していても心が和みます。それこそが写真の力であり、このようなコンテストの開催意義ではないかと思います。

読者の皆さまも、ぜひ穏やかな日常をカメラやスマートフォンに収めていただき、積極的に友人や知人と共有してみてください。

鹿野貴司氏=写真家。1974年東京都生まれ。多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるほか、ドキュメンタリー作品を制作している。現在は、七面山敬慎院のYouTube制作にも携わる。『甦る五重塔 身延山久遠寺』『感應の霊峰 七面山』などの写真集を出版。著書に『いい写真を撮る100の方法』(玄光社刊)。またカメラ雑誌や同系のウェブサイトにレビュー記事などを執筆している。

 

写真コンテスト入選作品


最優秀賞 「じいじからのプレゼント」

応募者: 長野県中野市 片山貴文さん

応募者コメント:
息子が初めて自転車に挑戦するときの様子です。補助輪がついていても上手く漕ぎ出せない息子を後ろから支えてくれていました。

鹿野貴司氏のコメント:
赤く染まった空のなかに、息子さんとじいじのシルエットが絶妙なタイミングで切り取られています。後ろに添えたじいじの手が合掌のようにも見え、撮っている片山さんも含め、親子3代の絆を感じさせました。私事ですが、僕の6歳の息子も1年以上自転車を練習していますが、怖がってなかなか前へ進めません。じいじの好アシストが羨ましいです。


優秀賞 「命を懸けたレッスン」

応募者: 京都府京都市 田中雅之さん

応募者コメント:
微笑ましく見えるカルガモの親子ですが、早く自立し自分でエサが獲れるようにと、子育てはとてもスパルタ式です。子ガモにとって川の堰は立ちはだかる絶望的な壁。しかし親ガモは上流から見下ろしながら、生きていくことの厳しさを教えているかのようでした。

鹿野貴司氏のコメント:
カルガモの親が、こうして子どもに魚を獲る練習をさせるというのは知りませんでした。言葉を持たない彼らが、どうやってコミュニケーションをはかるのかが不思議ですが、それだけに人間が考える以上に命懸けなのかもしれません。そんな命の尊さを感じさせてくれました。


優秀賞 「巨木の合掌」

応募者: 神奈川県伊勢原市 高津弘人さん

応募者コメント:
木の精霊がお互い合掌し合っているかのようです。いつも見るこの光景が、私を信心深くしてくれます。

鹿野貴司氏のコメント:
審査会でもっとも盛り上がった1枚です。おそらく剪定してこのかたちなのだと思いますが、まさにお寺で見かけるお上人さんと檀徒さんのようです。右上の雲がセリフのフキダシのようにも見え、やりとりを想像したくなります。


入賞 「やっと会えたね」

応募者: 兵庫県明石市 安達いづみさん

応募者コメント:
2019年になりますが、なかなか産まれず2時間近く頑張って待ってくれていた長女が、やっと産まれた次女に会えた瞬間です。帝王切開と知った長女は、私もサポートすると聴診器のおもちゃを下げて待ってくれていました。今では4歳になった次女と、仲良く??といえないときも多いですが、元気にすくすく育ってくれています。家族全員が、命の尊さを知ることができた日でした。

鹿野貴司氏のコメント:
出産直後のシーンは何点か応募があったのですが、もっとも微笑ましかったのがこの作品です。やっと妹に会えたお姉ちゃんが、おもちゃの聴診器を下げているのが決め手でした。


入賞 「雨にも負けず」

応募者: 山梨県身延町 深沢允江さん

応募者コメント:
7月に天城高原でのショットです。雨のなか傘をさしながらの山行、ヒメシャラの空洞に生きづいている新芽や、大地にしっかり根付いてる根張りの力強さに感動しました。全山が美しく清々しい姿に勇気と優しさをいただき、この山のファンになりました。高齢で足腰も弱く、体力、気力に見合った範囲ですが、感動のお裾分けです。

鹿野貴司氏のコメント:
雨に濡れた木の根の質感が、逞しさを感じさせます。同時に木を湿らす雨の存在にも光が当たり、タイトルとは逆かもしれませんが、命の共存を連想させました。


入賞 「強気なハンター」

応募者: 東京都足立区 鈴木照男さん

応募者コメント:
蓮の花の撮影中です。ちょっと視線を感じて、よく見るとカマキリ。それも子どものようです。それなのにこちらを睨んでいます。獲物をたくさん食べて大きくなって。

鹿野貴司氏のコメント:
蓮の花はもっとも応募が多かったモチーフなのですが、主役ではなく脇役として生かしたこの作品を選びました。カメラ目線のカマキリが何を考えているのか、イメージが膨らみます。


入賞 「天使」

応募者: 東京都日野市 内山雅子さん

応募者コメント:
あたかも白鳥が舞い上がっているかのように、または天から降りてきたようにも感じられました。

鹿野貴司氏のコメント:
白鳥が天から舞い降りてきたように感じたとのことですが、まさに優美な1枚です。花の配置はもちろん、モノトーンの背景や柔らかい光をアレンジした点も秀逸です。


入賞 「平穏」

応募者: 静岡県富士市 芹澤英和さん

応募者コメント:
春の暖かな日差しのなかで、無邪気にブランコを漕いでいる様子を見て、これまでの成長の日々が思い起こされ、穏やかな気持ちになりました。

鹿野貴司氏のコメント:
背景が一面桜という、なかなかダイナミックな構図です。少年がこちらを向いていれば、また違ったストーリーが浮かんだ気もしますが、桜を向いているのも趣きがあってよいですね。

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