宗務院
2016.02.08
「日蓮宗ボランティアネットワーク ロータス研修会実施」
〈支援を超えて人として支えあった、山古志との10年の絆〉
〈住民と若者が手と取り合う山古志。新しい復興の形〉

2日目は、柏崎刈羽原発(柏崎市)を見学し、災害・事故に対する危機意識について研修をした。
◇全国のモデルケースとなる復興の形初日は、地元山古志出身で、現在も復興支援員として働く、井上洋氏の「中越地震からの復興」の講義を受けた。
山古志では、住民有志が中心となり若者と外部の支援者が「山古志住民会議」を設立し、従来の村の重鎮のみが参加できる「協議会」と情報を共有し、協力的に活動をしてきた。
その活動は、最初から上手くいった訳ではないが、様々な挫折を味わいながらも、徐々に集落や立場を超えた議論が出来るようになり、話し合いの熟度が変わってきたという。
最後に井上氏は「現在の雪深い山古志では、除雪は介護予防につながり健康対策となる。直売所は、野菜を作る楽しみ、売る楽しみ、お金になる楽しみと福祉を支える行い等、住民が様々な事を、前向きに考え、広い世代が力を合わせて積極的に実行しています」と、懸命に生きる住民の様子を教えてくれた。
新潟県柏崎市と同県刈羽村にまたがる柏崎仮羽原子力発電所は、現在1号機から7号機までの7つの原子炉を有する、世界でも有数の規模を持つ原子力発電所である。
その施設内は、来年2016年から2基の原発の稼働が決まったことを受け、セキュリティが大変厳しくなっていた。
NPOアースでは、原発の在り方には賛否両論があるが、参加者の方々には、現地を自分の目で見て、感じ、宗教者としても、何が1番大切なのかを考える機会となれば
と、この研修の意義を語っている。
◇支援という枠を超え、人として触れ合った10年
2004年10月23日の中越地震発生直後から、アースは、避難所・仮設住宅へ支援を届け続けている。
帰村後も毎年「ほうとう祭り」と称し、住民の
方々と交流を重ねてきた。
その10年と、今回の研修を振り返って、理事長の石原師は「全国の災害地へ支援活動を行ってきたが、このような広い世代が、バランスよく協力しているケースは非常に珍しい。全国の復興モデルとなるであろう」と思いを語ってくれた。
山梨県第四部 通信員 石原学司