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法華経と共に生きる人々

お題目に生きる

公開日時:2021/02/20

お寺は安らぎの場 夫と二人三脚でお題目

お題目の魅力にひかれお祖師さまへの給仕

C子さんは山口県H院の総代の奥さんだ。若いときは電電公社に14年間勤務し、下関市に出てきて嫁いだ後、編み物教室を平成5年まで20年開いていた。

母の看病のために編み物教室をやめ、その母が亡くなったのが平成5年。その翌年にお母さんのご遺骨を納めるため、身延山の団体参拝に参加をしたのが、H院の前住職との出会いだった。法要や、お寺での行事に若い人の手がいるからと頼まれてH院に手伝いに行くようになり、以来、現在に至るまで約30年間、お寺との関係が続いている。

実は、身延山に参拝したのはその時が2回目で、初めて身延山に行ったのは平成2年。身延山の朝勤や、枝垂桜に魅せられて、毎年参拝したいと思っていた。しかし、母の納骨に身延に行ったときは、最初の時とは違う印象を受けたそうだ。気持ちが落ち着いて、お山の荘厳な空気に魅せられたという。母の納骨を済ませて、思親閣の裏手の展望台で七面山に向かってお題目を唱えて、ありがたい気持ちでお山を下りて行った。

それまでは彼岸とお盆だけお寺に参っていたC子さんだったが、お母さんの納骨以来、毎朝仏壇の前でお経や、お題目を上げるようになり、そのうちにお題目の魅力にひかれていったという。「特別なきっかけはなく、毎日お題目を上げるうちに、いつの間にか感謝の気持ちが根付いていった」と語るC子さん。「いつまでも初心者の気持ち、まだ深くお経のことを知ってるわけじゃないけども、お題目は、自分の心を静かに、穏やかにしてくれる」と話す。

C子さんにとってお寺とは安らぎの場であり、お寺を通じて、お祖師さまにお給仕をさせていただく場所なのだそうだ。ある時、より多くのお説教を聞きたいと前住職に頼んだ時、「お説教を聞くより、お寺を通じてお祖師さまに給仕する方が、多くの功徳を積むことになるんだよ」と言われて、はっとしたという。その前住職の写真は今でも部屋に飾ってある。前住職の夫人が亡くなってからは、お寺の掃除や、お給仕などにもより積極的に参加するようになった。お寺との付き合いは、家族の延長のようなものになっていった。お寺の庭には、C子さんの専用の花壇スペースも設けられているそうだ。

毎年お寺の団体参拝を楽しみにし、積極的に参加しているC子さん。「まだまだ長い人生だけども旦那さんと一緒に二人三脚で、お題目を支えに感謝しながら生きていきたい」と語る。

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