じつは身近な仏教用語

苦行・荒行

【くぎょう・あらぎょう】

【s:tapas,duṣkara-caryā】

元々、難行・苦行とは人間自然の欲望を抑えて精神力を鍛えることを目的としていました。饒舌を抑えて沈黙の戒となり、食欲を抑えては断食、性欲を抑えては禁欲となります。人はこれらに耐えて精神力を涵養しますが、さらに積極的・人為的に肉体を苦しめることを奨めました。

例、灼熱の太陽の下で火を焚き暑さに耐える。真冬に水に籠もって寒さに耐える。

それらが発展し「荒行」となり、これらの身体的苦痛に耐える間に強度の神秘力や神通力を己の内に蓄積すると信じられていました。

苦行の原語である[tapas(タパス)]は熱、熱力という意味があります。

長時間にわたり苦行を続ける事で、自分の中に「熱力」が溜まっていき、それが神通力へと昇華すると考えられています。

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