じつは身近な仏教用語

徹底

【てってい】

一般的には「徹底する」や「徹底的に〜」という形で、行動・態度・思想が中途半端でないことや、すみずみまで行きわたること、を意味する言葉として使用されます。

原義は「底を徹る、底まで到達する」という意味であり、仏教の三獣渡河(さんじゅうとが)という故事が由来しています。

河を渡る時、うさぎは水の上を泳ぎます。

馬は足が水中にあり、懸命に掻きます。

そして象は、足をしっかり水底につけて渡ります。

この3匹の動物をそれぞれ、うさぎ=声聞(しょうもん)、馬=縁覚(えんがく)、象=菩薩(ぼさつ)に例えられています。ざっくりですが、声聞と縁覚は、修行途中の段階に対して、菩薩とはより深い修行の段階で覚りへの最終状態といえます。

その為、象は最も深い覚りを得た者を意味し、徹底という言葉は、この象のように覚りの河を渡る時も、底にしっかりと足をつけて歩み、物事の内面まで貫き通す事を意味しています。

索引へもどる