じつは身近な仏教用語

対治

【たいじ】

【s: pratipakṣa(プラティパクシャ)】

一般的に退治という漢字を使用することが多いですが、退治は当て字であり正しくは対治となります。

意味としては、相手に向かい合って正しく導き、その障害になるものをしりぞけ除くことを指します。また個々の煩悩の迷いを断つことも意味し、個々の障害を対症的に断じてゆくことから、病気を治す意味にも使用されるようになりました。

対治はサンスクリット語[s: pratipakṣa(プラティパクシャ)]の訳語で、道によって煩悩を断ずることです。対治する道は四種類あり、加行道(けぎょう)「煩悩を断ずる予備的修行」、無間道(むけん)「直接に煩悩を断ずる修行」、解脱道(げだつ)「真理をさとり解脱を得る修行」、勝進道(しょうしん)「より優れた修行により解脱の完成に邁進する修行」があります。

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