じつは身近な仏教用語

機嫌

【きげん】

一般的には「機嫌が良い」など、その時の気分や感情を表現する言葉として用いられます。
元々は世間の謗り(そしり)、嫌われる事を意味します。

仏教では、その行為自体が罪悪であるものを戒める戒律を性戒(しょうかい)と呼び、それに対して、その行為自体は善でも悪でもないが、罪悪を誘発しやすい行為を戒める戒律を遮戒(しゃかい)と呼びます。例えば、財産の貯蓄や贅沢な物を持つ、というような事です。窃盗や妬みを誘発しやすい事例ですね。

そのような自他ともに罪悪を誘発しないように、自己を慎み、相手の気心を察するところから〈機〉をみる意味で〈機嫌〉と書きました。

さらに、相手の気心をうかがうことから「安否を問う」「ご機嫌うかがい」「気分が良い」などの気持ちを表す言葉として使われるようになりました。

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