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あんのん基金

令和6年3月

ネパール・マクワンプール郡における児童労働削減のためのハイリスク児童支援事業

特定非営利活動法人 シャプラニール=市民による海外協力の会

団体名:特定非営利活動法人 シャプラニール=市民による海外協力の会

事業名:ネパール・マクワンプール郡における児童労働削減のためのハイリスク児童支援事業

実施期間:2024年4月1日~2024年5月31日

支援金額:50万円

 

【団体紹介】

シャプラニールは1972年に設立された南アジアと日本で貧困問題の解決に向けて活動する国際協力NGOです。すべての人びとが持つ豊かな可能性が開花する、貧困のない社会の実現を目指し、バングラデシュ、ネパール、日本国内で活動しています。

 

【活動内容】

公的機関や他のNGOからも見過ごされ、社会の制度や仕組みから「取り残された」人々や課題に注目し、その周辺の人々も巻き込む形で課題解決に取り組んでいます。「子ども今を支え、明日を守る」、「災害に強い地域をつくる」、「社会からの孤立を防ぐ」、「市民同士のつながりを促す」の4つを活動の柱とし、ネパールでは児童労働をなくすための活動と、洪水に強い地域をつくる活動を実施中です。 

 

【事業内容】

事業地:ネパール・マクワンプール郡マナハリ村2,4,6,8区

事業目的:
ネパール・マクワンプール郡マナハリ村において、児童労働に従事する可能性が高い/既に児童労働に従事している子ども(以下ハイリスク児童)に対して、子どもたちを取り巻くそれぞれの課題やニーズを丁寧に聞き取り、児童労働から抜け出すのに必要とされる多角的な支援を実施することで児童労働削減につなげる。

事業概要:ハイリスク児童200名に対し定期的な家庭訪問、子どもの状況やニーズに応じ以下の支援を実施した。

・教育支援
  学校に通えていないハイリスク児童に対する授業料支援、文房具・制服・通学カバンの提供

・収入向上およびスキルトレーニング支援
  ハイリスク児童の保護者への農業や畜産技術の指導、必要な資材の提供や、ハイリスク児童の年長の兄弟を対象としたパソコンや美容、洋裁の技術研修支援

・緊急支援
  食料、医療、物資等の提供

事業成果:ハイリスク児童200名のうち94.5%(189名)が児童労働をせず学校に継続的に通うことができた。

ケーススタディ:
① 教育支援+収入向上支援(ヤギ飼育)
シャンティさん(14歳)は数年前に父親を癌でなくし、母親も身体が弱いため、シャンティさんの姉2人は学校を中退し出稼ぎをしています。シャンティさんは父親が亡くなった後、学校を休みがちになり進級試験に落第してしまいました。そのことをきっかけに学校を辞めて働くことを家族から強いられるようになりました。事業スタッフはシャンティさんの家庭を訪問し、教育の重要性をシャンティさんと母親に説明し、学用品を提供や精神的サポートを続けました。シャンティさんは進級試験に無事合格し自信を持つことができましたが、医療費の負担など経済的な不安は継続していたため、一家に収入の手立てとして4頭のヤギを提供しました。ヤギを増やし売ることで、収入を安定させシャンティさんは継続して教育を受けることができるようになりました。

② 教育支援+スキルトレーニング(美容)
ミーナさん(15歳)の父親は刑務所に入っており、母親は再婚し家を出て行ったため、姉と祖父母と暮らしていましたが、祖父が亡くなり経済的に困窮するようになりました。事業スタッフはミーナさんやミーナさんの祖母、姉にカウンセリングを行い、教育支援として学用品や制服を提供しミーナさんが学校へ通えるようにしました。また、カウンセリングを続けるうちに姉のタラさんが美容師の仕事に興味を持っていることが分かり、美容トレーニングをタラさんに提供することにしました。タラさんが安定した収入を得ることができるようになれば、厳しい経済状況が改善し、ミーナさんも教育を受け続けることができます。タラさんは基礎トレーニングをすでに終了し、今後上級トレーニングを受けることを楽しみにしています。将来は自分の美容サロンをオープンし家族をサポートすることを目標としています。

    

美容院でトレーニングをうける少女たち(写真左)
学用品を受け取る子どもたち(写真中)
現地スタッフによる家庭訪問(写真右)

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