令和2年10月
パレスチナ・ガザ地区における子どもの栄養失調予防・改善事業
団体名:特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
事業名:パレスチナ・ガザ地区における子どもの栄養失調予防・改善事業
支援金額:10万円
【団体紹介】
インドシナ難民の救援を機に1980年に設立。日本を含め、カンボジア、ラオス、南アフリカ、アフガニスタン、パレスチナ、イラク、スーダン、南スーダン、コリアの10の国と地域で活動を展開しています。
活動の柱は、1)人々の暮らしを守るための「地域・農村開発」、2)命を守るための「人道支援」、3)対話を通じて平和な社会をつくる「政策提言」の3つで、人々が自然と共存し、安心・安定して共に生きられる社会を目指して包括的な取り組みを行っています。
柔軟に必要な場所に必要な支援を届けられるよう、会員やマンスリー支援者を募集しています。
詳しい団体情報や各事業の活動については、下記のURLからホームページをご覧ください。
【事業の意義】
ガザ地区は2007年からイスラエルにより封鎖されています。人や物資の移動が厳しく制限されているため、経済は壊滅状態にあり、人口の約8割が何らかの支援に頼らざるを得ない状況となっています。加えて、繰り返されるイスラエルの軍事攻撃によりガザ地区の発電所や上下水道などのインフラの多くも修復出来ないままとなっています。こうした影響は子どもたちの成長に大きな影を落としており、子どもの3割が栄養失調やそれに付随する疾患(貧血やくる病※など)を患っているとされています。更に、今年はCOVID-19が世界各地で猛威を振るい、ガザでも感染が拡がっています。栄養状態が悪いと免疫力が低下するため、感染しやすくなり、重傷化するリスクも上昇します。医薬品や医療機器の不足に加え、電力供給が十分でないガザでは、医療サービスも逼迫しているガザにおいて、感染予防の啓発と、子どもたちの栄養状態を予防・改善する観点は非常に重要です。
そのため、弊団体と現地パートナー団体のAEIは、より貧困層の家庭が多いガザ中部にて、家庭訪問による健診やカウンセリング、講習などを通して、幼い子どもたちの栄養失調の予防と改善、発達・発育の支援、そしてそれを地域の力で継続できるよう仕組みづくりを行っています。仕組みというのは、対象地域の女性ボランティアたちが座学と実地の研修を受け、お母さんたちにその知識を伝達する、また、専門的な介入が必要な場合にはパートナー団体のAEIにつないでもらうというものです。現在、そこに感染予防啓発と、COVID-19の影響により更に家計が逼迫している貧困家庭への食材配布を行っています。緊急的な食材の配布と、子どもの発達・発育や栄養の知識をつけることをセットで実施することで、一時的な介入ではなく、持続的に子どもの成長が守られることを目標としています。
※くる病:ビタミンDの欠乏や代謝異常により骨の形成に異常が生じる疾患。発育が阻害されたり、脚が彎曲して歩行が困難になることがある。
【支援額の使途】
人件費:現地の保健師3名
交通費・車両費:治療が必要な子どものクリニックへの移送費、活動に係る保健師やボランティアの移動費
現地購入費:配布食材、調理実習用食材、配布補助栄養剤、教材印刷費、衛生用品 など
家庭訪問による健診。この際に、両親から普段の様子や食事のこと、育児の悩みなどを聞き取ってアドバイスをするという子育てカウンセリングも行います。
栄養講習に参加したお母さんと子どもには、子どもに合った味の濃さや柔らかさの食事を試食してもらいます。この講習で学んだことを家庭で実践したら、子どもがごはんを食べるようになったというお母さんも少なくありません。