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あんのん基金

令和5年7月

タジキスタンにおける障がいのある女性とその家族の自立支援事業

特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)

団体名:特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)

事業名:タジキスタンにおける障がいのある女性とその家族の自立支援事業

実施期間:2023年10月~2024年3月

支援金額:20万円

 

【団体紹介】

AAR Japan[難民を助ける会]は1979年に、インドシナ難民の支援を目的に設立された国際NGOで、以来、65以上の国や地域で活動を行ってきました。紛争や災害などの困難に直面した人々へ直ちに支援を届けるとともに、一人ひとり多様な人間が、各々の個性と人間としての尊厳を保ちつつ共生できる、持続可能な社会を目指して活動しています。  

難民支援、障がい者支援、地雷・不発弾対策、災害支援、感染症対策/水・衛生、提言/国際理解教育の6つの分野を中心に、現在は世界の18の国と地域で活動を行っています。困難な状況下にある人々の中でも、さまざまな理由により、特に弱い立場にある人々を、長期的な視点で支援することを重視しています。 

 

【活動地の現状と課題、事業の目的】

タジキスタンは一人当たりGDPが世界196ヵ国中172番目となっており、経済的に貧しい国の一つです。障がい者を取り巻く環境は特に深刻で、差別や偏見により、障がい者、特に女性障がい者の就職は非常に困難です。本事業は、地域社会における啓発活動や、障がいのある女性の能力強化を通じて、障がい者に対する差別や偏見をなくし、タジキスタンにおける女性障がい者とその家族の就労を促進します。 

 

【事業内容】

タジキスタン共和国ヒッサール市において、これまで就業の機会に恵まれなかった障がいのある女性とその家族計5名に縫製技術研修(週3回、5ヵ月)とビジネス研修(計3日間)を提供し、彼女たちの自立と社会参加を支援しました。また、啓発活動の一環として研修受講者の作品展示会を開催し、障がい者とその家族が働き、収入を得ることに対する地域住民の理解を促進しました。 

 

【支援金の使途】

  1. 縫製研修の実施

研修内で使う布や糸、装飾を購入したほか、講師の人件費として活用しました。

タジキスタンでは女性は伝統服を着る習慣があり、研修内では採寸の方法やミシンの使い方から始め、伝統服種類の縫製方法を学びました。

また、研修内では市場での素材の選び方や仕入れ方法、利益の計算方法等の基礎的なビジネススキルを学びました。

研修生のハサノバさんは「研修では同じ境遇、同じ志を持つ友人とも出会え、貴重な時間でした。頑張って技術を磨いて将来は有名な仕立屋になりたいです」と話してくれました。

ミシンの使い方を学んでいます
 
型紙に合わせて布を切っています
 
自分たちで仕立てたおそろいのドレスを試着する研修生たち
  1. 啓発活動の実施

研修の終盤には、啓発活動の一環として研修生が自ら作成したドレスの販売会を市場の一角で行いました。当日は大勢の地域住民で賑わい、研修生が販売会に向けて作成したドレスもとても好評で、多くのドレスを売ることができました。また、販売会に合わせて、啓発活動を地域住民約人に対して行い、障がい者が社会に参画し共に働くことへの理解を促進するためのパンフレットを配付しました。

自分で作ったドレスを実際に販売しました

 

【活動成果】

研修生全員が伝統服種類の縫製方法を習得しました。研修終了後、研修生は親戚や近隣住人から仕立ての注文を受け、仕立て屋として働いています。

また、販売会を兼ねた啓発活動で配付したパンフレットにより、障がい者の社会参画への理解を地域住人に促すことができたとともに、同パンフレットに研修生への注文方法を記載したことでその後の仕立ての注文にもつながりました。

 

修了書を手に笑顔を見せる研修生

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