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あんのん基金

令和4年8月

外国籍住民への乳がん検診実施事業

特定非営利活動法人 外国人医療センター

団体名:特定非営利活動法人 外国人医療センター

事業名:外国籍住民への乳がん検診実施事業

事業期間:令和 4 年 7 月 4 日

支援金額:16 万円

 

【団体紹介】

1990 年、出入国管理および難民認定法の改正により、労働目的の外国人が増加。労働災害等も多発し、厳しい労働条件の中で働くうちに体調を崩すなど、健康面での問題を抱える外国人が増加した。当時、外国人への医療支援を行う団体は愛知県にはなかったため、外国人支援者や医療関係者が中心となり、1998年外国人医療センター(以下 MICA)が設立された。設立から 24 年経過した現在も給料未払いや労災隠しなど、外国人の厳しい状況は変わらず、生活が困難な外国人に対し相談できる場所を提供している。必要に応じて医療機関を紹介するのみでなく、外国人や労働者支援団体等と協力しながら外国人が安心して生活できるよう主に医療面から支援を行っている。

 

【活動内容】

MICA は、愛知県で暮らす外国人を対象に、誰もが安心して保健医療サービスを受けられるような公正な社会づくりに貢献するため活動している。主な事業は、外国人無料健康相談会、電話・E メールによる医療情報の提供、保険証理解促進、検診結果表アドバイスなど。また主要事業である外国人無料健康相談会は、設立後通算 265 回実施し、延べ 4,947 名の相談者に対応してきた。2016 年からは、名古屋市から外国籍住民への結核検診事業の委託を受け、年 1 回、名古屋国際センターで実施している。

 

【支援事業について】

当センターが実施している外国人無料健康相談会では、女性相談者の乳がんに関する質問、相談が少しずつ増えてきた。しかし乳がん検診は胸部検診とは違い、検診車の駐車制約、検診費用が高額などで実施できなかったが、この度支援基金を頂き、ミャンマーコミュニティの女性グループと共催できることとなった。当日は以前作成したパンフレットを紹介しながら毎日のセルフチェックの習慣化、今後も保険を使った安価な費用での検診を自分から進んで受けるよう勧めた。


ミャンマー人達の憩いの場に佇むミャンマーバゴダ
 
ミャンマー女性が集う家。ミャンマー絵本や写真がある。
乳がん検診車は胸部検診車より車長も長く重量も重い。
 

【社会へ向けて】

日本では、乳がん検診の受診率が 30%程度で、先進国の中でも低く、そのため発見が遅れ、死亡率が増加傾向にあるそうだ。(ヘルスラボより)2021 年 6月現在、日本には 282 万 3565 名の在留外国人が生活しており、女性は142 万 7776 名で、外国籍者全体の 50.6%を占めている。乳がんは、40 代から増加する病気だが、その年代は子育て途中であったり、重要な仕事を担ったりするなど、人生でまだまだ活躍できるときである。乳がんは早期発見すれば生命、予後とも順調回復できるため、欧米では乳がん発見率が高くても死亡率は低下傾向にある。外国籍住民は、日本語の理解が十分でなかったりするなど、情報を得にくい環境にあり、住民であれば受けられる検診も受ける機会を逃してしまうため、少しでも検診の機会を確実に確保し、乳がんの早期発見につなぐためにも、啓発することが大切だと考えている。

生活や健康上の不安を抱える彼らに、相談できる窓口として、今後も地道で武骨な活動を続けていくよう努力したい。外国人が単なる労働者ではなく、国籍を問わず住民の一人として安心して生活できる地域になることが豊かな社会につながると考える。

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