令和3年2月
パレスチナ・ガザ地区における酪農を通した女性の生計支援
団体名:特定非営利活動法人 パルシック
事業名:パレスチナ・ガザ地区における酪農を通した女性の生計支援
事業期間:令和3年2月から4月
支援金額:20万円
【団体の紹介】
パルシックは、地球の各地で暮らす人と人が、国家の壁を越えて助けあい、支えあい、人間的で対等な関係を築くことを目指して活動するNGOです。国際協力とフェアトレードを主な活動内容としています――ただし、国と国の協力である国際協力ではなく、市民と市民との協力と言う意味で「民際協力」と呼んでいます。とくに外国の占領や侵略あるいは紛争の下で、近年増えている自然災害によって、自立的な発展を阻まれた人びとが暮らしを取り戻すことに協力する活動を重視します。
パレスチナでは、ガザ地区の女性支援事業のほか、西岸地区で環境事業、オリーブの植樹事業なども行っています。詳しい団体情報や事業内容は、ホームページをご覧ください。
パルシックの趣旨に賛同し、総会等を通じてパルシックの活動に参加していただける会員を募集しています。
会員となってぜひパルシックを支えてください。
【事業の意義】
「天井のない監獄」とも呼ばれるパレスチナのガザ地区。イスラエルの軍事封鎖によって、人や物の移動が厳しく制限され、人々は苦しい生活を強いられています。パルシックは、2014年からガザ地区での支援を開始し、2018年からは酪農を通した女性の生計支援を行ってきました。現在は、28の女性グループ、計140名を対象に、共同で羊を飼い、羊の生乳を絞ってチーズをつくるという事業を実施しています。これまでに、畜産に関する技術指導や会計管理、乳製品づくり研修などを行い、子羊や生乳、自分たちで作ったチーズから、少しずつ収入を得られるようになってきました。
そんな中で発生した新型コロナウイルスのパンデミック―。その影響はガザ地区にも及んでいます。私たちの事業地でも、一時、県をまたいだ移動が制限され、パルシックの専門家や獣医が羊小屋を訪問できなくなりました。畜産市場も閉鎖され、市場で羊を売ったり、薬を購入したりすることも難しくなりました。病気で弱り、死んでしまう羊も相次ぎ、女性たちの収入は大きく減ってしまいました。
彼女たちの生業は健康な羊があってこそ。あんのん基金から頂いた助成金は、女性たちの貴重な財産・収入源である羊の健康を守るために、大切に使わせていただきました。具体的には、獣医の訪問診療代や、羊の医薬品、子羊のための濃厚ミルクを支援しました。また、女性たちが羊小屋での作業を安全に継続できるよう、マスクや手袋、アルコール消毒液などの衛生用品キットと、シャベルや鍬などの羊小屋の用具も配布しました。 女性たちの仕事や収入を確保することは、経済的な安心感はもちろんのこと、何より、自立と尊厳ある暮らしに繋がると考えています。
【支援金の使途】
1.獣医・獣医巡回補佐
2.①羊の医薬品、②子羊用濃厚ミルク、③衛生用品キット、④羊小屋用具
※各アイテムを28グループに配布
3.現地事務所運営費、その他管理費
支援品を配布したときの様子。女性たちからは、「支援品は、私たちの生活に変化をもたらしてくれました。」、「ご支援は、私に希望とやる気を与えてくれました。」などのメッセージが届きました。
羊の世話をする女性たち。羊の健康チェックや小屋の掃除、餌やりから乳しぼりまで、女性たちは、毎日たくさんの仕事をこなしています。