平成30年7月
ラオス僻地山岳部における読書推進活動
団体名: 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
事業名: ラオス僻地山岳部における読書推進活動
支援金額:25万円(2018年7月)
【団体紹介】
1981年設立。「共に生き、共に学ぶ」ことのできる平和(シャンティ)な社会の実現を目指し、現在、カンボジア、ラオス、タイ(ミャンマー難民キャンプ)、アフガニスタン、ミャンマー国内、ネパールの6カ国に事務所を置き、図書を通した教育支援を中心に活動を行っています。
【活動内容】
(1) 海外の活動
1.図書館事業(人材育成、絵本出版、移動図書館活動など)、2.学校教育支援事業(学校建設、教員研修、学校運営研修など)、3.学校外教育支援事業(スラム地域の開発協力、夜間小学校支援、地域学習センター支援など)、4. 伝統文化支援活動、5.緊急救援活動
(2) 国内の活動
1.絵本を届ける運動、アジアの図書館サポーター、2.クラフト・エイド(フェアトレード)、3.もので寄付するプロジェクト、4.東日本大震災被災地での復興支援事業。
【支援事業について】
ラオスでは、インフラ整備や労働市場規模、教育環境などにおいて都市部と農村部の格差が広がっています。本事業の対象地であるルアンパバーン県パクセン郡の貧困割合は30%を超え、約3名に1名が貧困層であることを示しています。郡の人口の約88%は少数民族で、子どもたちは普段使用する母語ではないラオス語を、小学校に入学して初めて学びます。教科書だけでラオス語を習得することは難しく、授業を理解することも難しいのが現状です。
そのような環境から、読書教材は非常に大きな役割を果たしますが、郡の学校では読書教材を入手する手立てや予算が乏しいため、絶対的冊数と教材の種類が不足しています。
本事業はシャンティが過去に出版した読書教材(絵本)を印刷して配布し、絵本の読み聞かせなど図書活動を通じて小学校における読書推進を行います。
初めに、小学校教員に図書活動の研修会を開催します。そして児童にとって分かりやすく馴染みやすい内容の2タイトルの絵本を合計4,000冊印刷し、小学校などへ配布します。
また、配布した読書教材が効果的に活用されているか、定着を図るためのフォローアップとして移動図書館活動を行います。
児童が自由に読書を楽しむ時間を提供し、読み聞かせなどを行うことで読書への興味を育み、読み書きへの興味を持つきっかけを作ります。
【社会へ向けて】
ラオス語の読み書きが困難な少数民族の子どもたちにとって、教科書だけでラオス語を習得していくのは難しいことです。多くの挿絵がある絵本は、文字が読めない子どもにも「この物語を読んでみたい」という気持ちや読書への興味を育み、言語の読み書きへの興味も持つきっかけを作ります。
本事業の対象地の一部の小学校には読書教材が若干あるものの、ほとんど活用されていません。読書教材の配布と教員への研修、移動図書館活動を行うことによって、読書推進活動を対象地域の小学校に広め、教員自らが読書推進活動を行うようになることを目指しています。このような活動を通じ、より多くの子どもたちが質の高い教育を受けられるよう、シャンティはこれからも取り組んでまいります。
パクセン郡の小学校の授業風景
研修会のフォローアップとして実施する移動図書館活動にて、
シャンティの職員が児童や教員を巻き込んで、読み聞かせをしている様子。
(写真掲載絵本:「おおきなかぶ」福音館書店)
子どもたちはラオス語の文字を指でなぞりながら、
声を出して絵本を読んでいます。