平成28年5月10日
ウガンダ北部における元子ども兵社会復帰支援事業
団体名:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
事業名:ウガンダ北部における元子ども兵社会復帰支援事業
支援金額:15万円(2016年5月)
【団体紹介】
2001年に設立したテラ・ルネッサンスは、2014年に認定NPO法人となりました。「すべての生命が安心して生活できる社会の実現(=世界平和の実現)」を目的に、カンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ブルンジ、日本の6カ国で、主に「地雷」、「小型武器」、「子ども兵」という3つの課題に対して活動を行っています。
【活動内容】
(1)海外
アジアではカンボジア・ラオス、アフリカでは、ウガンダ・コンゴ民主共和国・ブルンジにおいて、計5カ国で活動しています。
設立以来、カンボジアでの地雷除去支援、女性義肢装具士の育成、地雷埋設地域の村落開発支援、地雷回避教育、ラオスでのクラスター爆弾不発弾の除去支援、学校建設を行ってきました。
また、ウガンダでは2005年より、コンゴ民主共和国では2006年より活動を始め、元子ども兵の社会復帰支援、紛争被害者の自立支援、不法小型武器問題の啓発活動を行っています。2013年には、ブルンジにて元子ども兵や紛争被害者など社会的弱者のための自立支援センターを建設し、同地域において紛争被害者への養蜂技術の指導などを行っています。
(2)国内
学校や自治体等での平和教育や政策提言、啓発キャンペーンを行い、岩手県大槌町では、東日本大震災復興支援活動に取り組んでいます。
【支援事業について】
ウガンダ北部では、紛争の中、子ども時代に誘拐され、強制的に兵士として戦いに駆り出されてきた元子ども兵24名(受益者)が、「社会復帰するために必要な能力を身につけ経済的に自立するとともに、地域住民との関係を改善しながらコミュニティーで安心して暮らせるようになること」を目的として、ウガンダ北部における元子ども兵社会復帰支援事業を行っています。
この事業では、BHN 支援、能力向上支援、心理社会支援、マイクロクレジット支援の4つの支援を主に行っていますが、この中のBHN支援活動において、この度、あんのん基金様より、ご支援をいただくことになりました。
BHN支援活動とは、社会復帰のための訓練期間中、受益者とその受け入れ家族の食費や医療費など基本的ニーズ(Basic Human Needs:BHN)を満たすための活動です。
通常、毎月、クーポンチケットを配布し、受益者各自が当会と契約している近隣の食料品店、ローカルクリニックでのみ使用できる仕組みで支援します。
また、ローカルクリニックで治療できない病気や怪我は総合病院やHIVエイズ専門の機関で診療できるよう調整し、受益者の状況に応じて、家賃や(元少女兵の)子どもの学費などの生活費を直接支援し、受益者が訓練に集中できるよう本人とその家族を支援します。
1. BHN 支援活動
プロジェクト前半のフルタイム訓練期間中、受益者とその家族の状況に応じて毎月の食費と医療費をクーポンで配布しています。食費・医療費にのみ使用することが目的のため、現金は渡していません。
給食をサポートして、訓練に集中できるようにしています。
2. 能力向上支援活動
受益者が収入向上活動を始めるために必要な職業技術、識字・計算能力などの能力向上のための訓練をしています。
講義と実技研修により、木工大工を学びます。
3. 心理社会支援活動
受益者個別に悩みやトラウマの程度も様々なので、個別カウンセリングとグループカウンセリングのクラスを開講し、クラス活動では音楽や伝統ダンスなどを行っています。
皆で集まってダンスをする時間も、大切な時間になっています。
4. マイクロクレジット支援活動
ビジネスのクラスを週1回開講し、貯蓄の重要性、ビジネスの基礎的な知識などマイクロクレジットを使って収入向上活動をしていくために必要な知識、方法の習得を目指しています。
職業訓練終了後に、元子ども兵たちが実際に収入を得るために必要な機材、用具を供与します。
【社会へ向けて】
テラ・ルネッサンスでは、「ひとり一人に未来をつくる力がある」という考えのもと、国内外での紛争被害者や被災者への支援を行うにあたって、受益者(地域)の問題や脆弱性だけに着目するのではなく、個人(対象地域)の持つ多様な力や可能性に着目することを重視しています。
ウガンダでも、子ども兵だった受益者が、同じ仲間や近隣住民と関わりながら、自身の選択による変化が生まれていき、過去の困難を少しずつ乗り越え、自尊心を回復し、自立への道を歩んでいます。
当会では、現場の支援を行うと同時に、子ども兵を生み出す原因となっている、資源を巡る紛争、小型武器の不法な取引等について、国内で平和教育や政策提言を行うことで、問題解決に向けて活動しています。
活動にご関心のある方は、ぜひ当会のウェブサイトをご覧ください。