平成27年5月19日
ネパール大地震・緊急救援活動
団体名:シャプラニール=市民による海外協力の会
事業名:ネパール大地震・緊急救援活動
支援金額:50万円(27年5月)
【団体紹介】
市民の自発的参加と責任に基づき、南北問題に象徴される現代社会の様々な問題の解決のために必要な海外協力等の諸活動を行い、すべての人が持つ豊かな可能性が開花する社会の実現を目指すことを、その目的としている団体です。
【活動内容】
(1)海 外
バングラデシュ及びネパールには現地事務所と駐在員を置き、現地事務所のないインドと合わせ、南アジア3ヶ国で活動を実施。社会や他の援助団体の支援から「取り残された人々」を支援しています。具体的には、バングラデシュ・ネパールにおいて、児童労働がない社会を目指し、家事使用人として働く少女への支援やレストラン児童労働の予防と削減を支援しています。また、災害に強い地域作りを目指して、サイクロンや洪水が多い地域での地域防災を支援しています。この他、先住民支援、チョール(中洲)における児童教育支援、障害者の社会的地位及び経済状況の改善支援などを実施しています。一方、インドでは、紅茶園スラム居住者などの支援を行っています。
(2)クラフトリンク(フェアトレード)
バングラデシュ・ネパールの手工芸品(クラフト)を通じて、「作る人」「売る人」「使う人」がつながるように(リンク)との想いを込めて、生産者と消費者が対等な立場で行う貿易(フェアトレード)を推進。クラフトを扱う現地生産団体と協同で、生産者の生活向上を目指しています。同時に、日本で商品を手に取ることで、作っている人の暮らしや、私たちのこれからの暮らしについて考え、行動するきっかけになって欲しいという想いと共に活動を続けています。
(3)国 内
日本に暮らす私たちも南北問題の当事者として生活や社会のあり方を問い直し、見直すきっかけ作りに取り組んでいます。そのために、国際協力入門講座や各種講演会、スタディツアー、開発教育教材の販売や貸出利用を実施しています。また、東日本大震災発生直後から、福島県いわき市で支援活動を続けています。
【支援事業について】
なお、この活動のために、ネパールで唯一の国際空港が閉鎖されていたため、日本人2名がインドを経由して救援物資を購入し、陸路でネパールへ入り支援しました。空港閉鎖解除後には空路で首都カトマンズへ新たに2名が入り、緊急救援活動を本格化させました。
1. 緊急救援支援 ~支援から取り残された人々~
また、遠隔地だけでなく、比較的カトマンズに近い地域でもスポット的に支援から取り残されている村もあり、そういった地域へ必要な支援を届けるようにしてきました。5月末までに、主に毛布約2,700枚、マットレス2,430枚、ビニールシート約1,900枚、食糧2,330世帯分を緊急救援物資として配布し、約5,400世帯へ支援ができました。
2. 復興支援活動
5月までに実施した現地調査の結果を踏まえ、6月以降の中長期的な支援活動の枠組みを決定し、東京事務所からスタッフを現地に派遣して、以下4つの活動を柱に動き出しています。
(1) 仮設住宅の建設支援
支援が届いていないタナフン郡及びオカルドゥンガ郡で、仮設住宅建設時に屋根や壁に使用できるトタン板の配布を進めています(対象 計810世帯)。
(2) コミュニティラジオ再建支援
ネパールの生活に密着しており、地震発生時の正確な情報やその後の支援情報などを得るのに欠かせないコミュニティラジオのラジオ局が、被災指定14郡内で約30か所被災して屋外などで活動していたのを受け、うち10局の機材購入などを支援しています。 また、地域に寄り添った情報収集と情報発信をするコミュニティラジオ局に併設してコミュニティスペースを設置し、人々が支援情報や地震情報を得たり、リラックスして過ごせるような空間を提供します。
(3) 移転が必要な集落の生活再建支援
被災指定郡になっていないものの、家屋の倒壊が発生し山崩れの危険から移住勧告が出されているチトワン郡カウレ村の山間部住民24世帯の移住生活再建を支援します。住居やトイレの建設と、移住後の仕事のために必要な機材を提供します。
(4) カトマンズ近郊住民のメンタルケアと教育支援
カトマンズ近郊の被災した住民へのメンタルケアプログラムと進学のための奨学金支援を行ないます。メンタルケアプログラムは、地震体験後に持っている不安感を軽減する方法を伝えるとともに、具体的に地震対策として家の中でできる技術を伝える予定です。
【社会へ向けて】
今回の大地震の被害を大きくした原因の一つに、地震への備えの不足がありました。シャプラニールでは、大地震発生前から地震防災キャンペーンの実施を計画していましたが、今後はこの計画を実施に移し、地震の知識や地震発生時に取るべき行動について普及させ、余震や将来の大地震での被害を軽減できるようにしたいと考えています。さまざまな課題がありますが、東日本大震災の支援活動で学んだことを生かし、現地の人々と協力しながら、長期的な復興活動と防災活動を進めていきます。