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あんのん基金

平成25年7月10日

おーでらす~獣害対策を地域の魅力に変える!

有限責任事業組合おーでらす

団体名:有限責任事業組合 おーでらす

事業名:獣害対策を地域の魅力に変える企画の実施

支援金額:44万3千円(平成25年7月)

【団体紹介】:有限責任事業組合 おーでらす

 私たち「おーでらす」は、平成23年6月に、女性の視点を活かし、獣害対策に取り組み、人と自然がともにイキイキと暮らす地域づくりを支援するために、福島県会津地方に生まれました。

獣害(野生動物による農作物等の被害)への取り組みを通して地域のつながりを再構築したり、地域が持つ魅力に気がついたり。地域の方々が自然環境を含めた自分の地域に誇りと愛着を持って、生活できる地域を目指しています。

只見地方の山言葉に太陽をあらわす「おおでらし」という言葉があります。会津を太陽のように明るくしたい!太陽が明るく、温かく包むように、がんばっている会津を応援したい!そんな思いから太陽をもじって「おーでらす」という名称を使っています。

おーでらすは、かつて日本の各地域が行っていた「人と自然のバランスを保った生活」を参考にして、現代に即した自然との関係性を模索しています。地域の人々が無理なく獣害に取り組み、人も自然もイキイキと暮らせる地域を目指して、地域の方々と一緒に解決の道を切り開いていきたいと考えています。

【活動内容】

①獣害対策指導:野生動物の専門家として、加害動物の特定と対象動物の生態をふまえた被害対策の相談・提案・指導を行っています。また、獣害を防ぐための対策グッズのレンタルも行っています。

②野生動物に関する調査の実施:地域にどんな野生動物が暮らしているかを調べる痕跡調査や、ツキノワグマ(以下、クマ)の出没に影響するどんぐり類の結実調査等を実施しています。

③地域農家を応援:獣害対策を実施した田畑で収穫できた作物を積極的に活用し、獣害対策支援寄付金付きで産地直送販売等を行っています。

④地域の魅力を活かした企画の立案・運営:地域の自然環境を活かした企画の立案・運営を行っています。

⑤獣害対策を地域の魅力に変える企画:クマやニホンザル(以下、サル)などの被害を未然に防ぐために、出没地域の環境整備を楽しみながら行うための企画をしています。

【支援事業】:獣害対策を地域の魅力に変える企画の実施

獣害(野生動物による農作物等の被害)を防止するために、出没地域の環境整備(やぶの刈り払いや侵入防止柵の設置、未収穫果実・作物の撤去および活用)等を目的とした企画を実施します。

会津には「身知らず柿」という会津ブランドの柿があります。昔は干し柿や柿酢を作るなど、民家の脇に植えて利用していましたが、今ではほとんど利用されず、サルやクマを引き寄せる要因となってしまっています。秋にはこの柿の実を獣たちの出没前に収穫し、干し柿作りを体験するなどを予定しています。

【社会に向けて】

私どもが活動している福島県会津地域では、クマやサル、イノシシなどの野生動物による農作物等の被害が増加しています。その多くは、中山間地域で発生しており過疎高齢化が進んでいる地域でもあります。このような地域では、獣害対策を実施するには金銭・体力的に難しく、獣害は拡大する一方です。

自家用に作付していた、収穫できるはずの作物を獣害の発生により自分で購入しなければならなくなって、金銭的にはさらに厳しくなり、営農意欲も低下します。そうなると耕作放棄地が拡大してそこはまた獣たちの隠れ家となり、さらに獣害が発生するという悪循環に陥っています。

このような、地方が抱える課題に対し、地域外の力(都市部学生のインターンや一般募集による参加者)を投入し、継続的に地域をサポートできる仕組みを構築したいと考えています。

さらに、獣害対策として従来行われている方法は、有害捕獲による駆除です。年々捕獲頭数は増加していますが、被害は減少していません。この状況からも、有害捕獲だけでは獣害を減らすことはできず、人と野生動物が暮らす環境を根本的に改善する必要があります。なお、この活動により、荒廃が進んでいる里山の環境を改善することで、かつて里山にあった生き物たちの連鎖(生物多様性)の保全にも貢献できると考えています。

今回、ご支援いただいた分は獣害の防止・地域の里山を再生するために、出没地域の環境整備(やぶの刈り払いや侵入防止柵の設置、未収穫確実・作物の撤去および活用)等を目的とした活動を実施する際に活用させていただきます。

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