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あんのん基金

平成24年12月10日

子どもたちの未来のために

特定非営利活動法人福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

団体名:特定非営利活動法人福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

事業名:内部被曝のモニタリング(尿中セシウム検査)事業

支援金額:45万円(東日本大震災対応支援)

【団体紹介】:特定非営利活動法人福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

福島県内に8施設ある児童養護施設では、親の養育の問題により家族の元に帰ることができない子どもたちが暮らしています。虐待などの様々な背景を持つ子どもたちが集団で生活し、健康管理は行われていますが、職員の先生方の数の不足にもよって放射線から自らの身を守っていくことを、広く行政や市民に訴える余裕もありません。また子どもたちは、県の措置により入所しているため、避難したくても自らの意思で退所・転居することはできません。

東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の流出はいまだ止まっておらず、低線量被曝が続いています。長い間の外部被曝、内部被曝による健康被害は様々な形で起こってくることが予測されています。その中で、施設の子どもたちは、保護者が彼らの健康を守る権利を主張する代弁者であることが期待できません。
もし彼らが被曝による健康被害を被った場合、事故後からの健康状態を証明し、適切な医療が受けられるためのデータをたくわえ、自分でそれを証明していかなくてはなりません。これは現状、彼らにとってとても難しいことなのです。このように福島県内の児童養護施設で暮らしている子どもたちは自分の健康を守る権利を奪われる可能性が高く、将来にわたって社会的に困難な立場に立たされる可能性が高いと言えます。

わたしたちは2011年8月に福島市内の児童養護施設「青葉学園」を訪問して聞き取り調査をきっかけに、福島県内の児童養護施設の子どもたちと職員の先生方の窮状を知りました。
そして、子どもたちの健康を守る活動を推進するべく、主に看護師の有志を中心とする「福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会」を立ち上げました。共同代表の澤田和美は具体的な支援を展開するために、2012年4月より福島市内に事務所兼自宅に居を移し、活動を発展させるために、当会をNPO法人に移行しました。
わたしたち「福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会」は、児童養護施設で暮らす子どもたちを対象に、将来にわたっての健康を保障することを目的としています。

異常の早期発見により被害は最小限にくい止めることができます。低線量被曝にさらされている彼らの健康被害の発生予防と早期発見・治療、そして被曝をできるだけ低く抑える環境づくりによって、施設にて暮らす子どもたちの健やかな成長に寄与していきたいと考えているのです。子どもたちの健康を守っていくためには、彼らを養育している職員の先生方の健康に対する意識の向上が欠かせません。そこで、わたしたちは、職員の先生方の健康管理をも同時に行なっていき、先生方とともに子どもたちの健康を考えていきたいと思っています。さらにはあるいは原発事故後のフクシマで、社会的弱者である児童養護施設の子どもとこの子どもたちを守る職員の方の状況を広く知ってもらう活動に取り組んでいます。

【活動内容】

(1)福島県の児童養護施設入所者の健康状態の把握に係わる事業
(2)福島県の児童養護施設入所者の被曝に係わる事業
(3)福島県の児童養護施設入所者の健康教育に係わる事業
(4)児童養護施設に従事する看護職等の専門職の連携推進に係わる事業
(5)市民を対象とした児童養護施設の子どもの健康に関する啓発活動に係わる事業

【支援事業】:内部被曝のモニタリング(尿中セシウム検査)事業

事業の一つとして、2012年4月より、内部被曝のモニタリングのために尿中セシウム検査を実施しています。これは、内部被曝の低減化対策の効果がわかるのと、万一健康被害が起こった場合に、その保障の対象となりうる根拠を示すことができる、という意味からです。
保障を受けることで、将来に渡っても困難な立場に立たされやすい施設の子どもたちの経済的負担を最小限にすることができると考えています。同時に、子たちを日々育てていく職員の先生方の内部被曝をモニタリングして健康管理を行うことで、子どもたちに対しても質の高い養育が可能となると考えています。
この事業は、2つの児童養護施設において10月現在で職員の先生方30名、入所中の子どもたち34名を対象として実施しています。その後12月現在では職員51名(その後21名実施)、子ども51名(その後16名実施)を再検査を含めて行っています。この中で尿中セシウムが検出下限以上に検出された子どもたちや先生方の再検査を10月から始めています。さらに県南の児童養護施設に於いて11月から先生方と子どもたちの検査を、2013年には浜通の児童養護施設でも始めていく予定です。また後者の2つの施設で、検出下限以上のセシウムが検出された場合は、半年後に再検査を計画しています。

検査は無料や安価で実施している民間の機関もありますが、わたしたちは子どもたちの将来を考え、法的に認められる検査機関(理研分析センター、山形県鶴岡市)でゲルマニウム半導体での検査を実施しています。
子どもたちは検出限界を低く設定するために1件当たり18000円から20000円(おむつの場合)、職員では8000円の費用がかかり、これらの費用を寄付によって支援させていただいています。今回のあんのん基金からの支援もその費用にあてていきます。
また検査の結果は、職員の先生方には生活の改善を行えるよう、わたしたちの会の看護師が施設内の看護師や保健担当者と協力してカウンセリングを行い、内部被曝の低減化への健康教育を実施していきます。さらに子どもたちには健康手帳(母子手帳の延長)に記録して、卒園後に証明書類として使用できる様式にする予定です。

【社会へ向けて】

わたしたちの最終的なゴールは、児童養護施設の子どもたちと職員の先生方が、外部被曝、内部被曝共に最小限となり、健康被害が発生せず、健康を意識した生活ができることです。
設立間もない小さな団体であり、また直接支援できる子どもたちや職員の先生方も、少人数ですが、原発事故の被害、さらに仮設住宅や遠隔地での(母子)避難生活での虐待、現代社会における家族機能の崩壊の影響など、社会的に困難が集約した立場に立たされている子どもたち、そして彼らを日々育ていっている職員の先生の方たちに特化した支援をしています。随時ご寄付を受けつけております。
どうか活動をご理解いただき、ご協力をお願い申し上げます。

ゆうちょ銀行 店名:二二九店(店番号 229)
当座預金 口座記号番号:02220-2-118684
口座名称:福島児童養護施設の子どもを考える会 

大東銀行 店名:福島西支店(店番号 047)
普通預金 口座番号:1303901
口座名称:福児童 代表 澤田和美

近日中にHPもできます。会員募集などは同ページにてご案内する予定です。
http://www.fukujidou.org/
e-mail: fukujidou@yahoo.co.jp

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